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2009年10月17日

世界は密室でできている/舞城王太郎 ミニレビュー

でも僕までここで一緒に泣いてたら、誰が明るい明日を運んでくるんだ?

舞城王太郎のトレードマーク"改行なし"文章ですが、語り手となる主人公が穏やかな性格なので、「煙か土か食い物」に比べると読みやすくなっていると思います。

そしてここでも舞城らしい、愛情溢れる残酷物語が展開されています。

物語は「煙か土か食い物」でサブキャラとして登場した名探偵ルンババの子ども時代のお話。主人公はその親友ユキオ。
ダイイング・メッセージやスプラッタ、そしてもちろん密室も登場するんですが、こうした道具立てより、何よりも
様々な場面で彼らが見せてくれる親愛さが羨ましくなるくらいあたたかい。

登場人物たちが何の疑問もなく持っている、家族や友人に向けられる優しい眼差しと、彼らを守ろうとする真っ直ぐな姿勢が魅力的です。ラストの意外な展開と結末は、感動的な名シーンです。

あとは不思議な魅力のある舞城王太郎のイラストが見られるのがポイントですかね。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>舞城王太郎@Wikipedia
>>舞城王太郎@Amazon


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: : : :
: 煙か土か食い物/舞城王太郎 ミニレビュー
: 熊の場所/舞城王太郎 ミニレビュー
: 理由/宮部みゆき ミニレビュー

2009年10月16日

語り女たち/北村薫 ミニレビュー

海原を旅して来た秋風の手が、もっといたいと駄々をこねる夏の頭を、撫で始める。


それなりに本を読んできてはいますが、日本語を読めて幸せだなと思わせてくれる作家・作品にはなかなか出会いません。

殊に私の場合、傾向が傾向なだけに(ミステリやエンタテイメントが好き)その方面では本当に少ない気がします。

そんななかで、北村薫の作品は、日本語の美しさやおかしさを教えてくれる貴重な宝。
特にこの不思議な物語を集めた「語り女たち」には上に引用した文章のように、何かしら想像力の膨らむ文章がそこかしこに散らばっています。

下手に説明なんかしてもしょうもないので、いくつか引用させてもらいましょう。

4101373302

学生時代には、靴と足跡のように、いつもくっついて行動していました。
〜Ambarvaliaより


その頃には、ネギが元気に育っていました。青緑の絵の具で、すっすっと描いたような太い線が、地から上へと伸びています。
〜梅の木より


「じゃあ、《朝飯前》、下さい」
〜笑顔より


さやさやという葉擦れの音は、右からも左からも迫り、高みからも、絶えず箔を撒くように降ってきました。
〜緑の虫より


心の片隅にでもそっととっておきたくなるような文じゃないでしょうか。
随所で発揮されるユーモアと言葉遊びのセンスも、いつもながら上品かつ微笑ましい。"ほっ"という音までしそうな柔らかな安心感みたいなものまで感じさせてくれます。

そしてどうしてこうも女性を描くのがうまいのか。ひとつひとつのエピソードで書き分けられる女性たちと、彼女たちの体験したファンタジーは見事に融和していて、とても男性とは思えません。

<体験したり、人づてに聞いたりした、比較的単純なことを、飾り気なく話していくのが物語の原点でしょう>
本作を描くにあたって著者が語ったこの言葉通り、聞き手の男と語り手の女が紡ぎ出すおかしくて不思議な物語たち。

何度も手に取る作品になるような気がします。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>北村薫@Wikipedia
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: ひとがた流し/北村薫 ミニレビュー
: 盤上の敵/北村薫 ミニレビュー
: 紙魚家崩壊/北村薫 ミニレビュー

2009年10月12日

煙か土か食い物/舞城王太郎 ミニレビュー


その世界では評価の分かれる舞城王太郎のデビュー作。2003年に「阿修羅ガール」で第16回三島由紀夫賞を受賞してますが、「好き好き大好き超愛してる」では石原慎太郎が「タイトルを見ただけでうんざりした」と批判したそうです。

自分と同じで、読まず嫌いの人も多いんじゃないかと思いますが、このエンターテイメントを読まないのはちょっと損してると思いますよ。

406274936X

なんと言っても特徴はその文体。句読点や改行が少なくひたすら文字で埋め尽くされているページは最初に見ると絶句しますが、読んでみるとリズム・テンポの良さに一気に引きずり込まれて、翻弄されて、もう大変。ページを繰る手を止めるのになかなか苦労します。

今回は再読でしたが、この文章から漲るパワーに改めて驚きます。かなりぶっ飛んだ主人公の<強力な意志>とシンクロしていて、テキストというメディアでここまで<力>というものを感じさせるということに感動。

語られる内容も単純なミステリーでは決してなく、どちらかというと"このテーマを語るためにミステリーとしての体裁になっている"もの。以降の作品と比べても、ストレートな内容なので、他の作品で舞城王太郎を敬遠している人にもお薦めです。

純文学とミステリーの融合とか何とか言われたりもしているようですが、この作品に関して云えば難しいことなんか考えずに読んで飛んで、読んで跳ねて、読んで踊る、というのが正しい読み方なんじゃないかと思います。で、その後にじわじわとテーマのことを噛みしめればそれでOK。
文章で書かれていないこととか、そんな難しいことは考えず、テキストをあるがままに読む。

個人的には古川日出男と並んで、新しい感覚を呼び起こしてくれる作品としてお薦めします。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

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: 世界は密室でできている/舞城王太郎 ミニレビュー
: 熊の場所/舞城王太郎 ミニレビュー
: 誘拐作戦/都筑道夫 ミニレビュー

きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー


その長い塀の上を、狐のようなケモノの影がするすると駆けた。


「太陽の塔」「夜は短し歩けよ乙女」の作品たちが陽とするなら、こちらは陰の京都を描いた怪奇短編集。<世にも奇妙な物語>のような怖さを味わえる作品ですが、他の森見作品を知ってる人にとっては真っ当な文体で書かれていることの方が驚きかも知れません。

4101290520

こうして京都を舞台にした怪奇譚を読んでみると、後付的な感想のような気もしますが、現代日本で不可思議な怪奇譚がはまるのは確かに京都をおいて他にはないのかも知れない、と思います。他の森見作品も京都を舞台にしてはいますが、地霊的な結びつきという意味ではこの作品の方が遙かに結びつきが強固です。

と考えていると、著者の森見氏が京都で生活していたからこその作品群なのだなぁと改めて思います。
村上春樹の「東京奇譚集」
が結局のところ、<東京>という名前を付けながら東京の<どこでもない場所>という世界しか描いてないことに対して、「きつねのはなし」では細い路地や古屋敷が舞台となり、そこに潜む気配が濃密に描かれます。

森見氏が見て、歩き、感じ取った京都の一端がそこには描かれているのでしょう。
京都×森見登美彦がこれらの作品を生んだのだと思うと、例えば東京×森見などはどんな著作になるのかなどと埒もなく想像してしまいます。

1作ぐらい別都市舞台の作品を書いてくれないものでしょうか。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

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: : : :
: 四畳半神話体系/森見登美彦 ミニレビュー
: 太陽の塔/森見登美彦
: つめたいよるに/江國香織 ミニレビュー

2009年10月 2日

9月に読んだ本のまとめ

読書メーター

自分の読書記録を公開できるWEBサービス<読書メーター>で作った2009年9月に読んだ本のまとめです。このブログ内のコメントよりも短めのコメントでまとめられているので、気になった本は是非このブログ内のレビューも読んでみてください。

先月読んだ本は10冊でした。評価を甘くしているつもりはありませんが、面白い!という作品が本が多かったですね。これまで知らなかった都筑道夫さんと矢口敦子さんの2人の作家さんを発見したのも収穫でした。でも万人にお薦めなのは「夜は短し歩けよ乙女」「夜のピクニック」ですね。どちらも元気が出ると思います。「ひとがた流し」は切ない物語ですが、読後に大切な友人のことを考えてしまう暖かい作品でもあるので、機会があったら手にとってみてください。

9月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3527ページ

誘拐作戦 (創元推理文庫)誘拐作戦 (創元推理文庫)
[★★★★☆]昭和37年発行で、この大胆さ!語りのスタイルから最後の註まで遊び心があって楽しめました。比較的「誘拐もの」というのは傑作が多いと思うのですが、この作品はその全ての始祖ではないかと思うほど、面白いですね。あまり深く掘り下げない人間の描き方などからすると、新本格ブームで出てきた作家たちはここに連なる気がします。ミステリー好きな人は読んでおいて損はない一冊。
読了日:09月30日 著者:都筑 道夫

探偵伯爵と僕―His name is Earl (講談社文庫 も 28-38)探偵伯爵と僕―His name is Earl (講談社文庫 も 28-38)
[★★★☆☆]子ども目線の意見が鋭いですね。これまでの作品にも色んな問題提起やハッとするセリフがありましたが、犀川先生や真賀田博士が発するものと比べて現実的な感じ。伯爵の言葉にも通じるものを感じますが、こういう書き分けが森博嗣のうまさだなと思います。最後の最後で煙に巻いてしまうのも森博嗣流ですよね。意見が別れそうな作品だと思いますが、個人的には好きな作品です。
読了日:09月29日 著者:森 博嗣

月夜の晩に火事がいて (創元推理文庫)月夜の晩に火事がいて (創元推理文庫)
[★☆☆☆☆]初芦原すなお。遅々として進まない展開にいらいらしてしまった。特にイミコさんには主人公以上に焦れた。主人公のココロの問題も含めて、ミステリーとして読むにはちょっと辛い。食べ物の描写なんかは楽しめるので、他のジャンルでなら読めるかも。
読了日:09月28日 著者:芦原 すなお

ひとがた流し (新潮文庫)ひとがた流し (新潮文庫)
[★★★★☆]電車の中で読むべきではなかった。「しくしくと痛む」と云う表現があるが、読み進むにつれて、それに近い苦しさがどうしようもなく胸に渦巻く。読み終えて数時間経った今でも息が詰まるようだ。言いたいことは山ほどあるような気がするが、声に出そうとすると言葉にならない。この1年で最も心にきた本。これからまた噛みしめます。
読了日:09月23日 著者:北村 薫

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
[★★★☆☆]今度は女のコの妄想も取り込んだのですね。男男男男男男よりは男女男女男女の方が、やっぱ読んでても楽しい。伊坂幸太郎ばりに交錯する先輩と彼女の物語がやけにいじましい。先輩は兎も角、彼女のことはついつい応援してしまう。毒気が抜けて心持ち爽やかになった森見ワールド、女性がよく読んでいるのもうなずけます。個人的には小さい頃に読んでいた「ラ・タ・タ・タム」が出てきてうれしいことしきり。
読了日:09月20日 著者:森見 登美彦

あるキングあるキング
[★★★☆☆]非常に評価が難しい作品だけど、伊坂作品の中では最もその特徴が骨太に描かれている作品かも知れない。著者の一貫して描いているのはアウトサイダーたちの物語だが、<王>でありながら周囲から疎まれてしまう王求の存在には、<死神>や<カカシ>に感じたファンタジーはかけらもなく、異物感以外のものは感じられない。他の作品では色んな彩りがあるために見えにくくなっているそうしたアウトサイダーのコアとなる異物感が丸裸にして描かれている。その異物感が伊坂作品の特徴だと考えれば、「あるキング」こそそれを浮き彫りにした作品 ではないだろうか。
読了日:09月14日 著者:伊坂 幸太郎

夜のピクニック (新潮文庫)夜のピクニック (新潮文庫)
[★★★★☆]本屋大賞、納得です。夜のピクニックと云う行事自体が物凄く魅力的ですよね。「六番目の小夜子」といい、この「夜のピクニック」といい、恩田陸は学校行事コンサルタントでも開業したら良いんじゃないでしょうか。大盛り上がりのクライマックスがあるわけではないですが、長いピクニックという淡々延々とした歩みに合わせた大小の起伏があり、飽きさせない。僅か1日の物語ですが、プロセスこそが面白いということを再認識させられます。
読了日:09月10日 著者:恩田 陸

鬼流殺生祭 (講談社文庫)鬼流殺生祭 (講談社文庫)
[★☆☆☆☆]舞台は明治のごく初期だが、恐らくこの辺りの時代の物語を描くのは相当に難しい。やはり時代の雰囲気や空気というものが読み手側でイメージしづらいからだと思うが、そこを補ってさらにイメージを飛翔させてくれるのが北村薫などの名手と呼ばれる人たちだろう。舞台や小道具を変えるだけでなく、その時代の世界を描いて生きる作品だったと思うので、そうした世界観が感じられないのが残念。
読了日:09月07日 著者:貫井 徳郎

28年目のハーフタイム (文春文庫)28年目のハーフタイム (文春文庫)
[★★★★☆]マイアミの奇跡の裏で起きていたチームの崩壊を今更ながらに読む。今では当たり前になっているオリンピック出場も彼ら或いは当時の時代にとってはメキシコ五輪以来の舞台だったのだ。マスコミを含め冷静ではなかったのだと改めて知る。だがサッカー協会はその後の成長が見られるが、マスコミを含む社会全体の姿勢は未だに大した変化が見られず、文化が根付くまでの時間の重みを再認識。
読了日:09月05日 著者:金子 達仁

家族の行方 (創元推理文庫)家族の行方 (創元推理文庫)
[★★★☆☆]まるで期待せずに読んだのですが、意外にも面白かったですね。丁寧な人物描写も好感が持てるし、伏線の張り方もなかなかのもの。話しの展開には強引さがあるけど、それさえ目をつぶれば、次第に見えてくるストーリーに引きこまれる。探し求める人物が遠ざかったり近づいたりしながら、次第に陽炎の向こうに行ってしまうような感覚が気に入りました。他の作品も読みたいがまずは何から読もうか。
読了日:09月01日 著者:矢口 敦子

読書メーター

: :
: 6月に読んだ本のまとめ
: 5月に読んだ本のまとめ
: おすすめミステリー/絶対お薦めの13冊

2009年9月30日

誘拐作戦/都筑道夫 ミニレビュー

その女は、小雨に洗われた京葉道路に、横たわっていた。

昭和37年発行で、この大胆さ!

語りのスタイルから最後の註まで遊び心があって楽しめました。
比較的「誘拐もの」というのは傑作が多いと思うのですが、この作品はその全ての始祖ではないかと思うほど、面白いですね。

あまり深く掘り下げない人間の描き方などからすると、新本格ブームで出てきた作家たちはここに連なる気がします。

都筑道夫さんの作品は初めて読んだので、Wikipediaで調べてみたところこんなテキストが。

推理小説を「謎と論理のエンタテイメント」であるとし、犯人が仕掛けるトリックよりは、ロジックの方が重要であるとの考え方を示した。極端に言えば、魅力的な謎と、なぜそのような状況が生じたのかという必然性が論理的に語られるなら、トリックなどなくても推理小説は成り立つ、というのが都筑の立場である。

やっぱり新本格っぽかったですね。他の作品もすごく気になります。

ミステリー好きな人は読んでおいて損はない一冊だと思います。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>都筑道夫@Wikipedia

>>都筑道夫@Amazon

4488434010

: : : :
: 国境/黒川博行 ミニレビュー
: 迅雷/黒川博行 ミニレビュー
: 二度のお別れ/黒川博行 ミニレビュー

探偵伯爵と僕/森博嗣 ミニレビュー

こんにちは、伯爵

子ども目線の意見が鋭いですね。

これまでの作品にも色んな問題提起やハッとするセリフがありましたが、犀川先生や真賀田博士が発するものと比べて現実的な感じ。伯爵の言葉にも通じるものを感じますが、こういう書き分けが森博嗣のうまさだなと思います。
最後の最後で煙に巻いてしまうのも森博嗣流ですよね。

意見が別れそうな作品だと思いますが、個人的には好きな作品です。

講談社のミステリーランドという"青少年向けっぽい"シリーズの一冊ですが、どちらかというと大人が読んだ方が面白い作品だと思います。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>森博嗣@

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: :
: そして二人だけになった/森博嗣ミニレビュー
: キラレキラレ/森博嗣レビュー
: カクレカラクリ/森 博嗣一文レビュー

2009年9月27日

ひとがた流し/北村薫 ミニレビュー


闇の中に浮かんでいた、華やかな電気の城は、ただ、あの時だけ存在した、幻のようでもある。

電車の中で読むべきではなかったですね。「しくしくと痛む」と云う表現がありますが、読み進むにつれてそれに近い苦しさがどうしようもなく胸に渦巻きました。思い返しても息が詰まります。

4101373310

女性三人の友情を描いた短編集。と書いてしまえば簡単ですが、章ごとに違う登場人物の視点から描かれ、色んな読み方もできると思います。

個人的には、「複数の視点から描かれる」ことによる著者の意図としては、感情移入させないというものじゃないかと思います。もちろん様々な意図があるのでしょうが、一人ないしは二人だけの視点ではなく、複数の視点が提供されることにより、物語はいくつものふくらみを持ち、より俯瞰的なものになっていきます。

俯瞰的な視座から見えてくるのは、川に例えて言うならば、物語の本流だけでなく、様々な支流も含めた河川全体の流域のような広がりのようなものでしょうか。川が川だけでなく川と一体になっている河川敷や周辺から流れ込む支流などから成り立っているように、物語には描かれていない登場人物たちの過去や生活もあります。

直接の主人公たち以外の人たちから見た話が織り込まれることによって、この物語の外に広がっている景色までもが見えるような、不思議な効果があるような気がします。

そうして語られる女性たちの友情は、地に足がついたというか生活に根差したものというか、目に見えなくも非常に緊密なものであるように感じます。

他にも言いたいことは山ほどあるような気がする特別な一冊ですが、声に出そうとすると言葉にできません。

女性だけでなく全ての人に読んで欲しい、この1年で最も心にきた本です。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>北村薫@Amazon

: :
: 世界は密室でできている/舞城王太郎 ミニレビュー
: 語り女たち/北村薫 ミニレビュー
: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー

夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦 ミニレビュー

私のロマンチック・エンジンはもはや誰にも止めることができない。

「太陽の塔」「四畳半神話大系」に続いて、妄想ファンタジー小説です。

前2作と違って、今度は女のコの妄想も取り込んでいます。男男男男男男よりは男女男女男女の方が、やっぱ読んでても楽しいですね。そして伊坂幸太郎ばりに交錯する先輩と彼女の物語がやけにいじましい。

先輩は兎も角、かわいい天然系キャラの黒髪の乙女のことはついつい応援してしまう。
毒気が抜けて心持ち爽やかになった森見ワールド、女性がよく読んでいるのもうなずけます。

"韋駄天コタツ"に"パンツ総番長"、"プリンセス・ダルマ"に"ロマンチック・エンジン"!!
微笑ましくも奇天烈な森見ワールド全開の一冊。元気を出したいときにはお薦めの一冊です。

個人的には小さい頃に読んでいた絵本の「ラ・タ・タ・タム」
が出てきてうれしいことしきり。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>森見登美彦@Amazon

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: :
: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー
: 四畳半神話体系/森見登美彦 ミニレビュー
: 太陽の塔/森見登美彦

2009年9月22日

あるキング/伊坂幸太郎 ミニレビュー

「ひまわりの種に、ひまわりを目指しているんですか、って質問する?」

非常に評価が難しい作品だけど、伊坂作品の中では最もその特徴が骨太に描かれている作品かも知れない。

著者の一貫して描いているのはアウトサイダーたちの物語だが、<王>でありながら周囲から疎まれてしまう王求の存在には、<死神>や<カカシ>に感じたファンタジーはかけらもなく、異物感以外のものは感じられない。

他の作品では色んな彩りがあるために見えにくくなっているそうしたアウトサイダーのコアとなる異物感が丸裸にして描かれている。
その異物感が伊坂作品の特徴だと考えれば、「あるキング」こそそれを浮き彫りにした作品ではないだろうか。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>伊坂幸太郎@Amazon

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: 死神の精度/伊坂幸太郎 ミニレビュー
: モダンタイムス/伊坂幸太郎 一文レビュー
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