
自分の読書記録を公開できるWEBサービス<読書メーター>で作った2009年9月に読んだ本のまとめです。このブログ内のコメントよりも短めのコメントでまとめられているので、気になった本は是非このブログ内のレビューも読んでみてください。
先月読んだ本は10冊でした。評価を甘くしているつもりはありませんが、面白い!という作品が本が多かったですね。これまで知らなかった都筑道夫さんと矢口敦子さんの2人の作家さんを発見したのも収穫でした。でも万人にお薦めなのは「夜は短し歩けよ乙女」と「夜のピクニック」ですね。どちらも元気が出ると思います。「ひとがた流し」は切ない物語ですが、読後に大切な友人のことを考えてしまう暖かい作品でもあるので、機会があったら手にとってみてください。
9月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3527ページ
誘拐作戦 (創元推理文庫)[★★★★☆]昭和37年発行で、この大胆さ!語りのスタイルから最後の註まで遊び心があって楽しめました。比較的「誘拐もの」というのは傑作が多いと思うのですが、この作品はその全ての始祖ではないかと思うほど、面白いですね。あまり深く掘り下げない人間の描き方などからすると、新本格ブームで出てきた作家たちはここに連なる気がします。ミステリー好きな人は読んでおいて損はない一冊。
読了日:09月30日 著者:
都筑 道夫
探偵伯爵と僕―His name is Earl (講談社文庫 も 28-38)[★★★☆☆]子ども目線の意見が鋭いですね。これまでの作品にも色んな問題提起やハッとするセリフがありましたが、犀川先生や真賀田博士が発するものと比べて現実的な感じ。伯爵の言葉にも通じるものを感じますが、こういう書き分けが森博嗣のうまさだなと思います。最後の最後で煙に巻いてしまうのも森博嗣流ですよね。意見が別れそうな作品だと思いますが、個人的には好きな作品です。
読了日:09月29日 著者:
森 博嗣
月夜の晩に火事がいて (創元推理文庫)[★☆☆☆☆]初芦原すなお。遅々として進まない展開にいらいらしてしまった。特にイミコさんには主人公以上に焦れた。主人公のココロの問題も含めて、ミステリーとして読むにはちょっと辛い。食べ物の描写なんかは楽しめるので、他のジャンルでなら読めるかも。
読了日:09月28日 著者:
芦原 すなお
ひとがた流し (新潮文庫)[★★★★☆]電車の中で読むべきではなかった。「しくしくと痛む」と云う表現があるが、読み進むにつれて、それに近い苦しさがどうしようもなく胸に渦巻く。読み終えて数時間経った今でも息が詰まるようだ。言いたいことは山ほどあるような気がするが、声に出そうとすると言葉にならない。この1年で最も心にきた本。これからまた噛みしめます。
読了日:09月23日 著者:
北村 薫
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)[★★★☆☆]今度は女のコの妄想も取り込んだのですね。男男男男男男よりは男女男女男女の方が、やっぱ読んでても楽しい。伊坂幸太郎ばりに交錯する先輩と彼女の物語がやけにいじましい。先輩は兎も角、彼女のことはついつい応援してしまう。毒気が抜けて心持ち爽やかになった森見ワールド、女性がよく読んでいるのもうなずけます。個人的には小さい頃に読んでいた「ラ・タ・タ・タム」が出てきてうれしいことしきり。
読了日:09月20日 著者:
森見 登美彦
あるキング[★★★☆☆]非常に評価が難しい作品だけど、伊坂作品の中では最もその特徴が骨太に描かれている作品かも知れない。著者の一貫して描いているのはアウトサイダーたちの物語だが、<王>でありながら周囲から疎まれてしまう王求の存在には、<死神>や<カカシ>に感じたファンタジーはかけらもなく、異物感以外のものは感じられない。他の作品では色んな彩りがあるために見えにくくなっているそうしたアウトサイダーのコアとなる異物感が丸裸にして描かれている。その異物感が伊坂作品の特徴だと考えれば、「あるキング」こそそれを浮き彫りにした作品 ではないだろうか。
読了日:09月14日 著者:
伊坂 幸太郎
夜のピクニック (新潮文庫)[★★★★☆]本屋大賞、納得です。夜のピクニックと云う行事自体が物凄く魅力的ですよね。「六番目の小夜子」といい、この「夜のピクニック」といい、恩田陸は学校行事コンサルタントでも開業したら良いんじゃないでしょうか。大盛り上がりのクライマックスがあるわけではないですが、長いピクニックという淡々延々とした歩みに合わせた大小の起伏があり、飽きさせない。僅か1日の物語ですが、プロセスこそが面白いということを再認識させられます。
読了日:09月10日 著者:
恩田 陸
鬼流殺生祭 (講談社文庫)[★☆☆☆☆]舞台は明治のごく初期だが、恐らくこの辺りの時代の物語を描くのは相当に難しい。やはり時代の雰囲気や空気というものが読み手側でイメージしづらいからだと思うが、そこを補ってさらにイメージを飛翔させてくれるのが北村薫などの名手と呼ばれる人たちだろう。舞台や小道具を変えるだけでなく、その時代の世界を描いて生きる作品だったと思うので、そうした世界観が感じられないのが残念。
読了日:09月07日 著者:
貫井 徳郎
28年目のハーフタイム (文春文庫)[★★★★☆]マイアミの奇跡の裏で起きていたチームの崩壊を今更ながらに読む。今では当たり前になっているオリンピック出場も彼ら或いは当時の時代にとってはメキシコ五輪以来の舞台だったのだ。マスコミを含め冷静ではなかったのだと改めて知る。だがサッカー協会はその後の成長が見られるが、マスコミを含む社会全体の姿勢は未だに大した変化が見られず、文化が根付くまでの時間の重みを再認識。
読了日:09月05日 著者:
金子 達仁
家族の行方 (創元推理文庫)[★★★☆☆]まるで期待せずに読んだのですが、意外にも面白かったですね。丁寧な人物描写も好感が持てるし、伏線の張り方もなかなかのもの。話しの展開には強引さがあるけど、それさえ目をつぶれば、次第に見えてくるストーリーに引きこまれる。探し求める人物が遠ざかったり近づいたりしながら、次第に陽炎の向こうに行ってしまうような感覚が気に入りました。他の作品も読みたいがまずは何から読もうか。
読了日:09月01日 著者:
矢口 敦子読書メーター