カクレカラクリ/森 博嗣一文レビュー
「鉄骨で組まれたフレーム、ドラム缶が並んだピット、建物の隙間を縫うように張り巡らされた線路、メカの固まりのような巨大なストラクチャ。」
建築専攻、模型好きの異色の推理小説作家、森博嗣のカラクリ・ロマン・ミステリー(廃墟ソースがけ)。 あ〜もう、タイトルからして読まずにはいられませんね。カラクリって言葉の響きで既に半分くらいは持っていかれてます(何かが)。 | ![]() |
久しぶりに読みました、森博嗣。早いものでデビュー作の「すべてがFになる」からもう12年になるんですね。
ただものではない作家が現れたなと思ったら、あっという間に人気作家になり、今では趣味の分野(飛行機模型や鉄道模型等々多数)や写真集などを出版し、少し失礼かもしれないが、<森博嗣のすることなら何でも出版してしまえ>という感じがしなくもない。
ちなみに私は好きな小説家の場合、エッセイやその類のもの、或いは作家の紹介本とか、日記やWEBなどは読まないことにしています。その作家の実生活や“地の姿“を見ることによって作品自体を読むときに、雑念が入ってきちゃうように感じてしまうからですね。ただ作家のバックグラウンドを知ることで、違う角度から作品を楽しめることもあるので、特に気になる作家の場合には調べたりもします。
で、森博嗣の場合は、やっぱり見てません。何度か「工作少年の日々」とかその類の本を買おうかと思ったのですが、結局のところ、森博嗣という作家が生み出す作品が好きなのであって、個人”森博嗣“が好きなわけではないとそのた度に言い聞かせているのです。言い聞かせているだけなので、もしかしたらそのうち買ってしまうかも知れませんが。
前置きが長くなってしまいましたが、「カクレカラクリ」です。
ミステリーのひとつを構成しているカラクリ=絡繰りは、江戸時代から日本の工芸技術の粋を集めた技として発展してきたもので、理系の人間でなくても、精巧な部品である木製の歯車やシャフトを見ると、わくわくしてしまうのではないでしょうか。もちろん私もその1人なので、読む前からかなり期待をしてしまいました。しかも主人公たちは廃墟を訪ねてまわるのが趣味とあっては、没入するしかありません。
...つまりかなりハードルを高くしてしまったような気がします。
結局、ミステリーとしても、物語としてもちょっと中途半端な感じです。
折角、小説というスタイルをとったのだから、もっと空想的なものにしてしまった方が良かったと思いますね。インダストリィな理想として描ききってしまった方が、強度のある作品になったんじゃないかと。と言うかそういう夢を自分が見たかった、ということでしょうか。
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森博嗣の浮遊工作室 ...作家自身のWEBサイトです。
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