帝都衛星軌道/島田 荘司 レビュー
東京というのはね紺野さん、特殊な構造を持った街なんです。
| 東京を舞台にしたミステリーを書かせたら天下一品の大御所、島田荘司。"まだまだやれる"というところを見せつける一冊。 | ![]() |
島田荘司という作家は、ボクにとって重要な作家だ。今、自分がついている職業についても、彼の影響がないとは言えないくらいだが、最も大きな役割としては、活字中毒への道へ誘ったのは彼の処女作「占星術殺人事件」だからだ。思えば高校時代のあの日から、友達から「占星術殺人事件」を借りた日から、今の活字中毒的日々が始まったのである。
それ以降、島田荘司の作品は一時期全てを読破するまで読みまくり、以降も島田荘司オリジナル作品はその殆どの作品を読んでいる。「御手洗潔パロディサイト」などは、ボクの島田像が壊れそうなので読んでいない。
島田荘司は"都市"、それも"東京"という都市を舞台にしたミステリーをいくつも残している。しかも表層としての現代の首都、東京ではなく、"東京"が孕んでいる歴史やその成り立ちが舞台になっている。いや島田の場合、むしろそれこそが主題となっており、それを語るためにミステリーというスタイルで作品が著されている。だから"東京"という都市に興味を持っている人間なら、人一倍それらの作品を楽しめる。
"東京"を扱った作品の中でもこの「帝都衛星軌道」はそのタイトルから最もそれを意識した作品と言える。東京の構造を利用した巧みな犯罪と、その裏に隠されたもうひとつの犯罪の暗部が、島田独特のドキュメンタリーを読むようなリアリティ溢れる筆致で書かれ、最後には犯罪を成し遂げられた人間から"東京"譚が語られる。どこまでが現実に即した内容なのか、どこからがフィクションなのか。後で調べてみたいという知的欲求に駆られてしまう一冊だ。
評価<★★★☆☆>
以下は、島田荘司の"東京もの"。
「御手洗潔の挨拶」収録の「ギリシャの犬」が"東京もの"です。
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| ミステリー | 島田荘司 | 本格推理 |
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