名波の魔法 [動画]

名波浩が引退を発表した。
彼のプレーの中に、私の長いサッカー鑑賞歴の中でもどうしても忘れられないプレーがある。
彼の公式WEBサイト「LEFTY」のコメント欄を読んでみると、フランスのW杯予選の頃からファンになったという人が多いようだ。
だが1995年の大学卒業時にはJリーグ3球団が獲得競争に乗り出す逸材として既に注目を集めており、ジュビロ磐田に入団後、すぐに日本代表に選ばれている。先のコメントを残したファンは日本代表から名波のファンになったようだが、日本代表時の彼よりも、ジュビロ磐田でプレーしているときの名波の方が、攻撃の起点としてバラエティ溢れるパスを展開しており、ジュビロのサックスブルーのユニホームを着た名波をイメージしやすいファンも多いだろう。
名波がいたときのジュビロは本当に強かった。中山、高原、藤田、ドゥンガらと展開したパスサッカーに、相手はボールを触ることできずにただただ翻弄され、最後にはその圧倒的な力の差に呆然としていた。その中で名波の役割は、トップ下という攻撃的なポジションで、細かくボールに触り、散らし、空いたスペースへ走り込む味方にスルーパスを通すパサーだった。
あの頃のジュビロは、現在までも含めた過去のJリーグのクラブチームでは最強ではないかと思う。それくらいチームの力が突出していた。
だが、それ以上に私が忘れられないプレーがある。
2000年アジアカップ、サウジアラビア戦のボレーシュートだ。
1点を先制された日本が右ペナルティエリア外でFKを獲得。当然のようにゴール前にはプレーヤーがひしめいている。キッカーは中村俊輔。左利きからは有利なポジション。ゴールに向かって巻いたボールを蹴るのが、当然の位置だった。
動き出した中村に合わせて、ゴール前には選手がゴールに向かっていく。
予想に反し、中村がチップ気味に蹴ったのはペナルティエリア外、やや左よりの空白地帯だった。TV画面上のそこには味方はおろか敵もいない、一瞬ミスキックかと思った瞬間、画面外から1人の選手がボールに合わせて走ってきた。それが名波だった。
前から中村と2人で練習してきたプレーのようだったが、こちらはそんなことは知る由もない。ミスったと思われたボールの行方を眺めるだけ。
落下地点に走り込んだ名波は、ふわりと落ちてくるボールに、左足で何かをした。ボールはその繰り出した足の早さからは信じられないほどの球速で、正しくあっという間にゴール左に突き刺さっていた。
正直、何が起きたのか分からなかった。あのボールに対して、何をどうすればあんなシュートになるのか?それがさっぱり分からなかった。
これでも色んなシュートを見てきたし、多少はサッカーも囓っていたので、どういうボールが蹴りやすくて、どういうボールが蹴りにくいかも分かっていた。
その頭で考えると、どう考えてもあんなシュートは打てはしない。パスの角度とシュートの方向、タメを作らず軽く合わせただけの足の動き。ほとんど不可能としか思えない。もしかしたら1瞬間だけボールが物理法則を外れたんじゃないかと思うぐらいあり得ないシュートだった。
海外のアクロバティックなゴール集などたくさんの難易度の高いシュートを見てきた。中にはそんなのありか?と思うようなシュートがたくさんあったが、みなタイミングさえ合えば、あり得ないものだとは思わない。
未だに信じられないのはこの名波のシュートだけである。
そのシュートのシーンがYouTubeにあったので、貼っておこう。
どうだろうか。このシュートやはり少し物理法則から逸脱しているような気がしてならない。
最早プレーと言うよりも、私の中では“事件“になっている。
タグ |
| 日本人選手 |
関連記事 |
:相馬崇人、ポルトガルへ -理想のウィンガーへの道 :大久保嘉人ボルフスブルグへ移籍 :水野がセルティックで初ゴール[動画] :水野と中村、初の同じピッチへ :最終ラインからのラストパス/名古屋の吉田麻也 |

















![首都高速道路 Metropolitan Expressway [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51A4sVZwbzL._SL160_.jpg)
![首都高Night-View(ナイトビュー) [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/513qpMF3CEL._SL160_.jpg)
