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2009年7月 アーカイブ

2009年7月30日

六番目の小夜子/恩田陸 ミニレビュー

「その机はずっと同じ場所にあって」「一年前も」「そのまた前の年も」

「ライオンハート」に続き恩田陸2冊目です。

サヨコというイベント?の設定が秀逸で、その面白さがうまく活かされてる物語性の非常に強い作品。

ぞくぞく来たのは体育館で行われた物語の中盤で描かれる今年のサヨコ劇
情景を思い描きながら読むと背中のあたりが落ち着かない感じになります。他にも冒頭の早朝の出会いのシーンや冬の海辺など印象的なシーンがいくつかあるのですが、個人的にはこのサヨコ劇のシーンがNo.1ですね。
久々に読書しながらドキドキしました。

処女作とのことで、まだまだ文章の構成やシーンの切れ目などが不明瞭だったりするところがあり、勿体ない感じがします。物語の強度はかなりのものがあると思うので、全面改稿したりすればもっともっと面白くなるんじゃないでしょうか。

2作読んだことで、少し恩田陸の作品世界が見えてきたような気がします。
次はどの作品を読もうかな。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>恩田陸@Amazon

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: : :
: 紙魚家崩壊/北村薫 ミニレビュー
: アラビアの夜の種族3/古川日出男 ミニレビュー
: 沙羅は和子の名を呼ぶ/加納朋子 ミニレビュー

2009年7月28日

クローズド・ノート/雫井脩介 レビュー

私は目を閉じ、ノートをぎゅっと抱きしめた。

周りの評判がそれほど高くなかったので、期待せずに読んだのが良かったかも。予想外の面白さに思わず一気読みをしてしまいました。

これまでの雫井作品とは違うテリトリーの作品ですが、ロマンや情熱といった人間の意志・思いの強さはどの作品にも通底する一貫したテーマであり、この「クローズド・ノート」でもその思いの強さが読後に至るまで心に残り続けます。

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>>続きを読む "クローズド・ノート/雫井脩介 レビュー"
: :
: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー
: ひとがた流し/北村薫 ミニレビュー
: 夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦 ミニレビュー

太陽の塔/森見登美彦

世界平和のためには我々一人一人が責任を持って荒ぶる魂を鎮めねばならぬ。

友人に勧められて初森見登美彦。

ネジレまくった男子学生の妄想がところどころ心にサさったのは私だけじゃないはず。
いや、確かに男なんて、たとえ"漢"って書いたってこんなもの。
シニカルに徹しきれない主人公に妙な親近感を覚えてしまってちょっと(自分が)危ない。

町田康の2番煎じ的な感じはあるけど、こっちの方が現実寄りなのでより入り込める。それにしても妄想も1つのファンタジーであるってのは発見だった。

因みに最初の一文は、禁欲生活を送るために主人公がつぶやく一節。う〜む、確かにそうだ。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>森見登美彦@Amazon

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: : :
: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー
: 四畳半神話体系/森見登美彦 ミニレビュー
: 夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦 ミニレビュー

孤島パズル/有栖川有栖 ミニレビュー

この島の中に間違いなく犯人はいる。

「月光ゲーム」に続いて江神部長シリーズ再読。

モアイパズル、真犯人を意外にもちゃんと覚えていたことにびっくり。
江神部長の推理にはツッコミどころが満載で、3部作の中では中だるみ気味の2作目。

記憶の中では次の「双頭の悪魔」が一番面白かった気がするけど、どうだったろうか?
後で読んで確かめてみるつもり。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>有栖川有栖@Amazon

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: : :
: 月光ゲーム/有栖川有栖 ミニレビュー
: 白い兎が逃げる/有栖川有栖 ミニレビュー
: 十角館の殺人/綾辻行人 ミニレビュー

ねむりねずみ/近藤史恵 ミニレビュー

夢とうつつが互いに絡み合う。

初めての近藤史恵。

歌舞伎に無知なのでところどころ置いていかれるのが、不親切かと思います。
歌舞伎シリーズの一冊目なのだからもう少しこういう読者のことを考えて、簡単に説明してほしかった・・・。

著者は恐らく意図的に推理ものとしての完成度を投げ出しているが、メインテーマの方も頭でっかちの印象をぬぐえない。
このテーマで描くならもう少し説得力が欲しいところです。

・・・とは言え、後書きで知ったけど、デビュー2作目でこの出来なら他の作品も期待できそうな気がします。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>近藤史恵@Amazon

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: :
: 煙か土か食い物/舞城王太郎 ミニレビュー
: 誘拐作戦/都筑道夫 ミニレビュー
: 探偵伯爵と僕/森博嗣 ミニレビュー

2009年7月15日

理由/宮部みゆき ミニレビュー

一冊の小説としては膨大な数の人間の生活、背景、性格が密度濃く描かれているなぁと感じるが、それほど重厚長大な本を読んだという読後感を感じさせない不思議な一冊。

軽やかというほどではないが、寧ろ文章そのものはあっさりしている。宮部みゆきの文章の凄さは、このギャップにあるような気がする。

文章から想像される人間像が自分の脳内に立ち上がり、そこから文章以上の情報が自分の頭に入ってきている。

この想像力を呼び起こす丁寧な人物描写に注がれた、宮部みゆきの執着心、パワーが少し恐ろしい

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>宮部みゆき@Amazon

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: : :
: 熊の場所/舞城王太郎 ミニレビュー
: ぼんくら/宮部みゆき ミニレビュー
: 煙か土か食い物/舞城王太郎 ミニレビュー

2009年7月 9日

脳男/首藤瓜於 ミニレビュー

痛みを手放さないこと。分散させず、一本の糸のように撚り合わせること。

再読。この手の作品はミステリーとしてどうこうと言うより、人物とその描写に負うところが大きいと思います。そしてこの作品が描く"主人公"鈴木の謎と特質、生い立ちは充分に魅力的。

特に自らの物理的身体の境界を、痛覚によって探索するくだりなどは、テキストならではの表現性、想像力を発揮した名シーンだと思います。

鈴木とその過去を追う真梨子の物語は「羊たちの沈黙」のレクター博士とクラリスが探り合う心理的精神的な旅を想起させ、緊張感が知的好奇心を刺激してページを繰る手を止められない作品。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>首藤瓜於@Amazon

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: :
: 煙か土か食い物/舞城王太郎 ミニレビュー
: 誘拐作戦/都筑道夫 ミニレビュー
: 探偵伯爵と僕/森博嗣 ミニレビュー

2009年7月 5日

プラスティック/井上夢人 ミニレビュー

このフロッピイディスクは、あなたに読んでもらうために作られた。

10数年ぶりの再読。

今では当たり前で使い古された感のあるネタだけど、当時はまだ新鮮なネタでした。
井上夢人作品は、常に新しいものへの挑戦を感じさせてくれるものですが、この作品でも"全編を通じて主人公がいない"という離れ業を演じてます。

改めて井上夢人のフロンティア・スピリットに拍手。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>井上夢人@Amazon

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: :
: パワー・オフ/井上夢人 ミニレビュー
: オルファクトグラム/井上夢人 ミニレビュー
: 風が吹いたら桶屋がもうかる/井上夢人 レビュー

PLUTO/浦沢直樹 ミニレビュー

面白かったけど、きれいに終わりすぎな気がします。もう少し毒があっても良かったんじゃないかと思いますが...。

"自分に嘘をつく"ロボットはそのコンセプトがすごいですね。
"アイデンティティのゆらぎ"というのは浦沢直樹の軸となるテーマなのかも知れませんね。

ところであの大量の"虫型ロボット"はもしかしたらクラウド型コンピューティングの発展系でしょうかね。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

浦沢直樹@Amazon

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: :
: プラテネス/幸村誠 ミニレビュー
: 月館の殺人/佐々木倫子・綾辻行人 ミニレビュー
: 伝説のアニメ AKIRA 実写映画の台本は?

2009年7月 2日

6月に読んだ本のまとめ

読書メーター

自分の読書記録を公開できるWEBサービス<読書メーター>で作った2009年6月に読んだ本のまとめです。

先月読んだ本は27冊でした。

6月の読書メーター
読んだ本の数:27冊
読んだページ数:12306ページ

沈黙の艦隊 6 (モーニングデラックス 1432)沈黙の艦隊 6 (モーニングデラックス 1432)
[★★★☆☆]いくらなんでもアメリカ北西艦隊弱すぎでしょ。何で潜水艦も配備してないんだ?それはそれとしても、各国の対応やら何やら緻密な取材が伺えますね。頭が下がります。
読了日:06月30日 著者:かわぐち かいじ

沈黙の艦隊 5 (5) (モーニングデラックス 1431)沈黙の艦隊 5 (5) (モーニングデラックス 1431)
[★★★☆☆]う〜ん、強いなぁ、やまと。それにしてもソナーってのはこんなに正確に確認できるんだろうか。水測長が見ている世界をビジュアルで見てみたいな。
読了日:06月30日 著者:かわぐち かいじ

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)
[★★★☆☆]今回は小佐内さんを応援しました(喜)。小鳩君は人間失格だけどおあいこだったし、結果的にはみんなのためになることをしているので、性格さえ直れば...。それにしてもこのスカッとしない気分は何でしょう?好感の抱ける登場人物が殆ど出てこないし。このシリーズ最大の謎はやっぱり主役二人のキャラクターですよね。期待の冬期は残り短い高校生活を考えても、"二人の出会いと卒業"になるんじゃないかと思いますけどどうでしょう。
読了日:06月28日 著者:米澤 穂信

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)
[★★☆☆☆]登場人物が増えたけど、その登場人物全員がやっぱり裏に何かを隠してるっぽい(笑)。さらりとした日々の文章の裏ではかなりどろどろしたパワーゲームが行われているような気がしてなりません。下巻はカタルシスの予感がします。それにしても小鳩ちゃん、乗降客推理するのに14ページも使うなんて、ちょっと回転が鈍くなったんじゃないかい。
読了日:06月27日 著者:米澤 穂信

月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)
[★★★★☆]「十角館の殺人」に続き、こちらも15年ぶりの再読。デビュー作とは言え何度も改稿を重ねているためか、本筋以外の文章も楽しめる。まだ多少のロジックに弱いところがあるけど、本格の本流とも言える作者だけに緻密な推理が展開される様は、もやもやが晴れていく爽快感がある。殺人事件が社会的にどう処理されたのか曖昧にしているラストも、後味を良くする巧みな割愛。"淡くて切ない夏の思い出"的な読後感が心地良い。
読了日:06月26日 著者:有栖川 有栖

失踪症候群 (双葉文庫)失踪症候群 (双葉文庫)
[★☆☆☆☆]何がメインなのか分かりません。失踪についてはカラクリの着眼点が面白いかも知れない程度でその理由は別段普通だし、悪意については描写が足りない。親子愛もステレオタイプの話しに終始していて、結局テーマが見えてこない。環チームも托鉢僧以外はありきたりなキャラ。う〜ん、貫井さんしばらく読めないかも。
読了日:06月24日 著者:貫井 徳郎

あやし (角川文庫)あやし (角川文庫)
[★★★☆☆]実際お話としてはかなり怖い内容だけれども、さらっと描かれていてジメジメした感じはなく、翁の語る昔日譚のよう。これは宮部みゆき自身が江戸という世界に向ける視線が、そうした憧憬、郷愁を持っているからなのだろうと思う。個人的には「布団部屋」と「女の首」の2つの作品が好きですね。かぼちゃの見立てはちょっと想像の上をいく。
読了日:06月21日 著者:宮部 みゆき
沈黙の艦隊 4 (4) (モーニングデラックス 1421)沈黙の艦隊 4 (4) (モーニングデラックス 1421)
[★★★☆☆]政治家や船乗り、サブマリナー...ここまで骨のある男たちは自分も含めて今、日本にはいないよね。アメリカを敵に回すことのシミュレートとしては、良い線なんじゃないかな。
読了日:06月20日 著者:かわぐち かいじ

盤上の敵 (講談社文庫)盤上の敵 (講談社文庫)
[★★★★★]再読。北村薫らしからぬ峻烈な内容ですが、間違いなく傑作。目を背けたくなるような悪意と生命への優しい視線、そして人物の背景を描く日常のエピソードは、男性・北村薫しか描けないもの。著者自身が前書きで書いているように、確かにこの物語は必然だと思う。この物語を描ききった北村薫の強さと、心のこもった前書きに見られる優しさに感動します。
読了日:06月19日 著者:北村 薫

真説ルパン対ホームズ―名探偵博覧会〈1〉 (創元推理文庫)真説ルパン対ホームズ―名探偵博覧会〈1〉 (創元推理文庫)
[★★☆☆☆]初芦辺拓作品ですが、この作品ではどんな人なのかちょっと分かりませんね。ただWikipediaで「行き過ぎた技巧派」を形容されているのは頷けるかも。考えてみたら海外の名作や日本の名作はまだまだ未踏の部分があるので、ちょっと古いものを読んでみようかなという気になりました。収録作品の中では「新モルグ街の殺人」が良いですね。こちらの謎解きの方が島田荘司的で好きです。
読了日:06月19日 著者:芦辺 拓

沈黙の艦隊 3 (3) (モーニングデラックス 1420)沈黙の艦隊 3 (3) (モーニングデラックス 1420)
[★★★☆☆]政治場面が大幅増量で、ちょっと疲れる。サザンクロスのアイディアは良いけど、実際問題需要が少なすぎないか?これならメガフロートの方が現実味があったな。
読了日:06月18日 著者:かわぐち かいじ

沈黙の艦隊 2 (2) (モーニングデラックス 1412)沈黙の艦隊 2 (2) (モーニングデラックス 1412)
[★★★☆☆]むう。実際にはこんな戦いは出来ないだろうが、海中という世界が空中とまるで違う尺度でもって見なければならない世界だということはよく分かる。
読了日:06月17日 著者:かわぐち かいじ

アニーの冷たい朝 (創元推理文庫)アニーの冷たい朝 (創元推理文庫)
[★★★★☆]狂気が行間から立ち上るような、ぞくぞくする逸品。著者らしい無駄のない訥々とした筆致で犯人の行動が淡々と描写されていて、逆に描写されていない犯人の心理のおぞましさが際立っている。全体的なテンポの良さは相変わらずで、警察・被害者・犯人の各視点から描かれた章からなる構成もそのまま映画やドラマに使えるぐらい巧みさです。黒・豆コンビに比べると影の薄い主人公コンビですが、クライマックスでは"太陽に吠えろ"ばりに渋い活躍を見せているのもいいですね。
読了日:06月17日 著者:黒川 博行

沈黙の艦隊 1 (1) (モーニングデラックス 1411)沈黙の艦隊 1 (1) (モーニングデラックス 1411)
[★★★★☆]初かわぐちかいじ。マンガとは思えない重厚さ。1日1冊か2冊が限度かな。
読了日:06月16日 著者:かわぐち かいじ

三重殺 (講談社文庫)三重殺 (講談社文庫)
[★★★☆☆]初奥田哲也。あまりのだらけっぷりに思わず吹き出しそうになる主人公ながら、最期には見事な推理で事件を解決。冗談みたいな事件の連鎖の上に、自堕落で助平な主人公だけど、内容自体は立派な推理ものになっているので、不真面目本格ミステリとでも名付けたい。ものすごくあっさりとした終わり方なので、もう少しだらけた余韻があっても良かったかなと思います。
読了日:06月16日 著者:奥田 哲也

天使の歌声 (創元推理文庫 M き 4-2)天使の歌声 (創元推理文庫 M き 4-2)
[★☆☆☆☆]初めての北川歩実なんですが、いまいち訴えかけるところのない短編集。どの作品も人の"入れ替わり"がキーになっているんだけど、何だかややこしいばっかりで解決したあともすっきりしない。それとこれは個人的な問題かも知れないけれど、読んでいて推理の方向性が分からなくなってしまう。小説中で疑わしきは誰なのか、ディレクションがよく分からないのは、ミステリーとして致命的。世界観や文体、キャラクターまで特筆することも特になし。
読了日:06月16日 著者:北川 歩実

十角館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫 あ 52-14)十角館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫 あ 52-14)
[★★★★☆]17年ぶりの再読。新本格にはまるきっかけとなった1冊でした。読み進むうちに犯人とストーリーを思い出しましたが、「衝撃の1行」を読んだときの驚愕も併せて思い出せて満足。あれから相当数のミステリーを読みましたが、この作品ほどの驚愕を味わわせてくれた作品はごくわずか。厚みがある作品ではないけれど、ミステリー好きには最高のエンターテイメント作品ではないかな。
読了日:06月14日 著者:綾辻 行人

栄光なき凱旋 上栄光なき凱旋 上
[★★★☆☆]いつにも増して重厚な真保裕一作品。様々な戦時体験や戦争の悲惨さを聞いてきたけれど、寡聞にして在米日系人に関しての話は聞いたことがなかった。日本からもアメリカからも敵視されるという四面楚歌的状況を思うに、様々な思いが浮かぶが、強く思うのは祖国から飛び出していった人たちの苦しさと強さだ。日本人に限らず、世界中の祖国を飛び出した先人たちの気持ちはどのようなものなのだろうか。
読了日:06月13日 著者:真保 裕一

栄光なき凱旋〈上〉 (文春文庫)栄光なき凱旋〈上〉 (文春文庫)
[★★★☆☆]いつにも増して重厚な真保裕一作品。様々な戦時体験や戦争の悲惨さを聞いてきたけれど、寡聞にして在米日系人に関しての話は聞いたことがなかった。日本からもアメリカからも敵視されるという四面楚歌的状況を思うに、様々な思いが浮かぶが、強く思うのは祖国から飛び出していった人たちの苦しさと強さだ。日本人に限らず、世界中の祖国を飛び出した先人たちの気持ちはどのようなものなのだろうか。
読了日:06月13日 著者:真保 裕一

モノレールねこ (文春文庫)モノレールねこ (文春文庫)
[★★★★☆]バ、バルタン〜!(>_<)。完全に「バルタン最期の日」にもっていかれました。加納朋子さん得意の日常の謎の風味は薄いですが、「てるてるあした」でもそうだったように、"謎"から離れて"不思議"の方へシフトした方が持ち味が出てると思います。それにしてもあのマッチ棒のような眼をしたザリガニが語るとは...、カカシが喋るよりもインパクト大きいかも。昔バケツで飼ってたザリガニを思い出しました。この作品を読んだ後に飼ったら絶対、飼い方が変わる!その他では「モノレールねこ」と「シンデレラのお城」が好きですね
読了日:06月12日 著者:加納 朋子
ルパンの消息 (光文社文庫 よ 14-2)ルパンの消息 (光文社文庫 よ 14-2)
[★★★★☆]絶妙なバランスですね。3人の悪友、舞子、鮎美、溝呂木、署長、寺尾...と多彩な登場人物たちへの踏み込み方が、深すぎず浅すぎない抜群のバランス感覚で描かれていると思います。24時間という時間制限の不自然さも、逆に緊張感を盛り上げる演出として効果を上げています。事件やその背景のやるせなさにも関わらず読後には爽快感があり、改稿しているとはいえ処女作としてはかなりの出来映え。横山秀夫は3冊目ですが、カチカチのお堅い作品ばかりじゃなかったんですね。俄然読む気が湧いてきました。
読了日:06月12日 著者:横山 秀夫

幻想運河 (講談社文庫)幻想運河 (講談社文庫)
[★★★☆☆]作者本人が言っている通り、旅の詩情と孤独が溢れているミステリですね。火村シリーズで作中人物の有栖川が時折見せる、夢想やロマンへの憧憬が全面に出てきている感じでしょうか。ロジカルな部分を中途で放っているけど、その半端な感じが、ラストの狂気をうまく煽っているのでこれはこれでありだと思います。ミステリではなく、読み物として○。
読了日:06月11日 著者:有栖川 有栖

木乃伊男 (講談社文庫)木乃伊男 (講談社文庫)
[★☆☆☆☆]う〜ん、何か微妙なシリアス路線ですね。史上初のイラストで犯人が分かるという仕掛けも単に顔が見えただけだし。もっとイラストをトリックに使ったネタなのかと思ってた。里中氏がどんな人か知らないけど、単なる挿絵以上のものにはなっていない。結局、・・・が木乃伊男だったという構成はちょっとドリフっぽくて笑えるので、ギャグ路線に持っていっても良かったんじゃないかな。それと解説で最後の1ページで云々て書いてあるけど、意味が分かりません。最後のイラストのことを言ってるんだと思うけど、描かれている人物が何をして
読了日:06月08日 著者:蘇部 健一

亜愛一郎の狼狽 (創元推理文庫)亜愛一郎の狼狽 (創元推理文庫)
[★★★☆☆]初亜愛一郎。とぼけてますねぇ。ゆるキャラならぬ"ゆる探偵"と言ったところでしょうか。女性にとっては萌え要素の強い探偵なのではないかと思います。毎回違う脇役たちもかなり特殊な人たちばかりで、不思議な性格の事件と相俟って、パラレルワールドのようなおかしみのある世界観。続編も読んでみます。
読了日:06月06日 著者:泡坂 妻夫

摩天楼の怪人 (創元推理文庫)摩天楼の怪人 (創元推理文庫)
[★★★★☆]建築、化学、医学、歴史...、島田荘司の全方向的な知識欲には圧倒されるばかりだけど、それらを覆い尽くす怪奇なる幻想と詩情豊かなストーリーテリングこそが、島田荘司たる所以。壮大なトリックはあるけれど、ミステリーとしての枠組みを超えて1冊の読み物として評価したい。摩天楼年表も個人的には非常に有用な資料。それにしてもあの安藤忠雄のプロジェクトからこんなストーリーが生まれるとは思ってもいなかった。
読了日:06月04日 著者:島田 荘司

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