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龍時 01-02/野沢尚 ミニレビュー

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今、俺はこの地で産声を上げる。

初野沢尚で、サッカー小説としては村上龍の「悪魔のパス 天使のゴール」以来2冊目。

スペインのクラブユースからトップチーム昇格を目指すリュウジの物語です。

今までも日本にはユース時代からヨーロッパに渡り、将来を嘱望された選手はいましたが、誰一人としてトップチームに上がれた選手がいないというのが、悲しいかな日本の現状です。
そんな中で、日本のサッカー好きにとっての夢物語と言っていいリュウジの成長物語になっていますが、リュウジの強大な決意と孤独感がクローズアップされて描かれており、夢物語ではあるものの、リアリティも追求した作品になっています。

サッカーは野球などと違い、プレーが連続するスポーツなので、プレーをテキストで表現しようとするとどうしても冗長になってしまいます。村上龍という切れ味鋭い作家でもその傾向は否めませんでしたが、この作品ではリュウジの心理も含めて、短い文章で巧みにプレーの描写がされていて、小説としては限界までサッカーのプレーを臨場感高く描いた作品ではないかと思います。

背景となるスペインの文化やクラブの気質も丹念に描かれていて、「日本のサッカー小説としては最高峰」という売り文句もうなずけます。

個人的には続作も読むつもりですが、残念なのは著者の野沢尚さんが亡くなっており、未完のままだと言うことです。

リュウジのような選手が現れることを夢見つつ、野沢さんの冥福を祈りたいと思います。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>野沢尚@Amazon

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