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切れない糸/坂木司 ミニレビュー

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汚れやほつれは、服のどこにあるかわからない。

クリーニング屋さんに歯医者さんと、坂木司はその目の付け所がうまい。
確かにお客相手の仕事だとたまに謎のような事態に出くわすこともあり、それが自然とミステリーに仕立てられている感じとでも言おうか。

各話のテーマや結末の方向性など坂木作品には独特な渋さと後味の良さがあり、この作品でも充分に発揮されている。
でもそれ以上にこの作品から感じるのは、"仕事"へ向かう姿勢の大切さだ。

「汚れやほつれは、服のどこにあるかわからない」というのは服だけに限られた話ではないわけで、例えば「服」を「住宅」に置き換えても成立する。
自分が扱う商品が、自分の手だけで成り立つ職業でなければ、凡そどの職業にも当てはまる話し。

また商品だけでなく、登場人物たちが見せるお客への対応などを読んでも、著者が注意深く言葉を選んでいることがわかる。

坂木司という作家が持つそうした職業意識への敬意が感じられ、改めて自らの職業意識を再考させる一冊でもある。

評価<spacerspacerspacerspacerspacer

>>坂木司@Amazon

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