Sizenoteでタグ ファンタジーが指定されているエントリー:14

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きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー


その長い塀の上を、狐のようなケモノの影がするすると駆けた。


「太陽の塔」「夜は短し歩けよ乙女」の作品たちが陽とするなら、こちらは陰の京都を描いた怪奇短編集。<世にも奇妙な物語>のような怖さを味わえる作品ですが、他の森見作品を知ってる人にとっては真っ当な文体で書かれていることの方が驚きかも知れません。

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こうして京都を舞台にした怪奇譚を読んでみると、後付的な感想のような気もしますが、現代日本で不可思議な怪奇譚がはまるのは確かに京都をおいて他にはないのかも知れない、と思います。他の森見作品も京都を舞台にしてはいますが、地霊的な結びつきという意味ではこの作品の方が遙かに結びつきが強固です。

と考えていると、著者の森見氏が京都で生活していたからこその作品群なのだなぁと改めて思います。
村上春樹の「東京奇譚集」
が結局のところ、<東京>という名前を付けながら東京の<どこでもない場所>という世界しか描いてないことに対して、「きつねのはなし」では細い路地や古屋敷が舞台となり、そこに潜む気配が濃密に描かれます。

森見氏が見て、歩き、感じ取った京都の一端がそこには描かれているのでしょう。
京都×森見登美彦がこれらの作品を生んだのだと思うと、例えば東京×森見などはどんな著作になるのかなどと埒もなく想像してしまいます。

1作ぐらい別都市舞台の作品を書いてくれないものでしょうか。

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>>森見登美彦@Amazon

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: 四畳半神話体系/森見登美彦 ミニレビュー
: 太陽の塔/森見登美彦
: つめたいよるに/江國香織 ミニレビュー

四畳半神話体系/森見登美彦 ミニレビュー

我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である。

「太陽の塔」に続いて森見登美彦2冊目なんですが、やはりひたすら妄想なのですね。
途中やや呆れながらもパラレル妄想ワールドを堪能。

絶望が新しい世界への扉を開くことになるのは、よく分かる(気がする)。

それにしても全体のプロットもさることながら「八十日間四畳半一週」の四畳半の異空間という設定が素晴らしい。

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>>森見登美彦@Amazon

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: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー
: 太陽の塔/森見登美彦
: 夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦 ミニレビュー

六番目の小夜子/恩田陸 ミニレビュー

「その机はずっと同じ場所にあって」「一年前も」「そのまた前の年も」

「ライオンハート」に続き恩田陸2冊目です。

サヨコというイベント?の設定が秀逸で、その面白さがうまく活かされてる物語性の非常に強い作品。

ぞくぞく来たのは体育館で行われた物語の中盤で描かれる今年のサヨコ劇
情景を思い描きながら読むと背中のあたりが落ち着かない感じになります。他にも冒頭の早朝の出会いのシーンや冬の海辺など印象的なシーンがいくつかあるのですが、個人的にはこのサヨコ劇のシーンがNo.1ですね。
久々に読書しながらドキドキしました。

処女作とのことで、まだまだ文章の構成やシーンの切れ目などが不明瞭だったりするところがあり、勿体ない感じがします。物語の強度はかなりのものがあると思うので、全面改稿したりすればもっともっと面白くなるんじゃないでしょうか。

2作読んだことで、少し恩田陸の作品世界が見えてきたような気がします。
次はどの作品を読もうかな。

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>>恩田陸@Amazon

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: 紙魚家崩壊/北村薫 ミニレビュー
: アラビアの夜の種族3/古川日出男 ミニレビュー
: 沙羅は和子の名を呼ぶ/加納朋子 ミニレビュー

太陽の塔/森見登美彦

世界平和のためには我々一人一人が責任を持って荒ぶる魂を鎮めねばならぬ。

友人に勧められて初森見登美彦。

ネジレまくった男子学生の妄想がところどころ心にサさったのは私だけじゃないはず。
いや、確かに男なんて、たとえ"漢"って書いたってこんなもの。
シニカルに徹しきれない主人公に妙な親近感を覚えてしまってちょっと(自分が)危ない。

町田康の2番煎じ的な感じはあるけど、こっちの方が現実寄りなのでより入り込める。それにしても妄想も1つのファンタジーであるってのは発見だった。

因みに最初の一文は、禁欲生活を送るために主人公がつぶやく一節。う〜む、確かにそうだ。

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>>森見登美彦@Amazon

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: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー
: 四畳半神話体系/森見登美彦 ミニレビュー
: 夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦 ミニレビュー

紙魚家崩壊/北村薫 ミニレビュー

北村さんだったので期待しすぎてしまった。

けれど作者も楽しみながら書いたであろう「新釈おとぎばなし」は"カチカチ山"をミステリーにするという他では読めない異色作なので、それだけでも私には読む価値があった。

他の作品では「白い朝」がいいですね。キュートです。

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>>北村薫@Amazon

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: 沙羅は和子の名を呼ぶ/加納朋子 ミニレビュー
: 空飛ぶ馬/北村薫一文レビュー
: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー

ブレイブ・ストーリー[下]/宮部みゆき ミニレビュー

中巻で張った伏線を次々に回収しつつ、ラストへ向けて、1つずつテーマをクリアさせていく緻密な構成がすごい。

やっぱ宮部みゆき、すごいわ。ゲーム脚本家もいけるんじゃないか、と思ったのは私だけではないはず。

複数のテーマが凝縮した作品なので、映画よりもゲーム向きじゃないかな。

テーマがダークという意見もあるようだけど、今どきの小学校高学年くらいなら、ちょうど良いと思う。

それにしてもカッツ、格好良いね。ベルク・カッツェから名前をもらったと邪推してみた。

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>>宮部みゆき@Amazon

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: ブレイブ・ストーリー[中]/宮部みゆき ミニレビュー
: ブレイブ・ストーリー[上]/宮部みゆき ミニレビュー
: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー

ブレイブ・ストーリー[中]/宮部みゆき ミニレビュー

仲間が増える。 ダンジョンに潜る。 宝を集める。

まさしくファンタジーの王道ですが、父親殺しにはちょっとびっくり。
ところどころ問題が未解決のままにされて、(恐らく)後に解決されるだろうな、という構成がミステリー的。

現実と同質の社会問題を、違和感なくファンタジーの世界に組み込んでいるあたりも、並のファンタジーじゃないですね。

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>>宮部みゆき@Amazon

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: ブレイブ・ストーリー[下]/宮部みゆき ミニレビュー
: ブレイブ・ストーリー[上]/宮部みゆき ミニレビュー
: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー

ブレイブ・ストーリー[上]/宮部みゆき ミニレビュー

現実世界の物語があったのですね。 この現実世界のストーリーがあるから、ファンタジーの世界にある種の説得力というか、厚み、重みや主人公の必死さが出てきている。

このアプローチはエンデの名作「はてしない物語」と同じだけど、読みやすさと現実世界のストーリーで考えると「ブレイブ・ストーリー」の方が好きかな。

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>>宮部みゆき@Amazon

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「はてしない物語」を読んでいない人は一緒に読むと面白いと思います。
すごく長かった記憶がありますが、現在のRPGの祖先のような物語にわくわくできると思います。

■はてしない物語 (単行本)
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■はてしない物語 (文庫)
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: ブレイブ・ストーリー[下]/宮部みゆき ミニレビュー
: ブレイブ・ストーリー[中]/宮部みゆき ミニレビュー
: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー

アラビアの夜の種族3/古川日出男 ミニレビュー

再読。久しぶりに本を読んで疲れた。

2巻から少し間を空けてしまったせいか、3巻目はちょっとダれました。

良い意味でも悪い意味でも読むのに気合いが入る本なので、体調を整えてから読むべきだったかも。

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>>古川日出男@Amazon

アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)

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: 六番目の小夜子/恩田陸 ミニレビュー
: 紙魚家崩壊/北村薫 ミニレビュー
: アラビアの夜の種族2/古川日出男 ミニレビュー

アラビアの夜の種族2/古川日出男 ミニレビュー

サ?
サフィ?

サフィアーン!

再読のくせに思わず吹き出すこの語り。ところどころに入る関西弁といい、翻訳という体裁を逆手にとった表現が古川日出男らしい。

もしかしたら「奇妙奇天烈、摩訶不思議、奇想天外、四捨五入、出前迅速、落書無用」というフレーズが似合う唯一の本じゃないか?

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>>古川日出男@Amazon

アラビアの夜の種族〈2〉 (角川文庫)

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: アラビアの夜の種族3/古川日出男 ミニレビュー
: アラビアの夜の種族1/古川日出男 ミニレビュー
: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー

アラビアの夜の種族1/古川日出男 ミニレビュー

再読。筆舌に尽くしがたい本とはこれのこと。

何がどう違うのか、なぜこんな文章に惹きつけられるのか、皆目不明。
何をどう説明すればいいのか分からないが、とにかく読み進まずにはいられない。

「夜が朝(あした)に代わり、朝(あした)が夜に代わる。」

このフレーズが麻薬的。

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>>古川日出男@Amazon

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

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: アラビアの夜の種族3/古川日出男 ミニレビュー
: アラビアの夜の種族2/古川日出男 ミニレビュー
: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー

沙羅は和子の名を呼ぶ/加納朋子 ミニレビュー

日常の謎から"異世界"へと踏み込んだ加納朋子のターニングポイント。

ここから「ささら、さや」へと繋がっていくんですね。異世界への第一歩としても完成度が高い。

"いない人"への思いが切なさを感じるけど、それを包み込む温かさがあって、ふんわりとした気分になれる。

冬にお薦めしたい本。

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>>加納朋子@Amazon

沙羅は和子の名を呼ぶ (集英社文庫)

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: モノレールねこ/加納朋子 ミニレビュー
: 紙魚家崩壊/北村薫 ミニレビュー
: スペース/加納朋子 ミニレビュー

つめたいよるに/江國香織 ミニレビュー

初恋、恋愛、別れなどを織り込んだ幻想的な連作「つめたいよるに」と、料理やお菓子、食事や給食などの場面が登場する食べものの連作「温かなお皿」という2つの連作からなる短編集。

「温かなお皿」の方は正直なところ、何が面白いのかさっぱりわかりません。

「つめたいよるに」に収録されている、女性から蛇に、そして次々と別の動物へと変化する「いつか、ずっと昔」は好きかな。

貝になって夫の貝に殻をかちゃかちゃぶつけて甘えるなんて、かわいらしすぎる。

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>>江國香織@Amazon

つめたいよるに (新潮文庫)

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: きつねのはなし/森見登美彦 ミニレビュー
: 四畳半神話体系/森見登美彦 ミニレビュー
: 太陽の塔/森見登美彦

ホテル カクタス/江國 香織レビュー

「アパートが取り壊しになる、という衝撃的な内容の貼り紙が、玄関ホールに貼りだされたのは冬のはじめのことでした。」

絵描きさんとのコラボレート作品となっている寓話的作品。
帽子(!)と、きゅうり(!!)と、2(!!!)の仲良し3人組が主人公。
久しぶりに江國 香織を読んでみて、改めてこの人の作風を好きになりました。
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